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タイトル
緑の絆

吉田

1995年(平成7年)1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災から24年がたち

ました。

この地震により、近畿圏の広域が大きな被害を受け、特に震源に近い神戸市

市街地の被害は甚大で、当時東洋最大の港を持つ近代都市での災害として、日本

国内のみならず世界中に衝撃を与えました。

犠牲者は6,000人を超え、第二次世界大戦後に発生した地震災害としては後に

起こる東日本大震災に次ぐ被害規模でした。

そして、24年たった今では震災の爪痕を探すのも難しいほど“みなと神戸”は復興

しました。


被災地のいま!

阪神・淡路大震災復興支援活動から続く、社会貢献活動への取り組みをご紹介

します。


24年前のあの日、何が起きたのかっ!

多くの犠牲者と未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災発生直後、いち早く

救援活動に立ち上がり、コースをクローズして支援活動に取り組まれたゴルフ

コースがあります。

有馬ロイヤルゴルフクラブ(兵庫県神戸市)です。

http://www.arima-royal.com/

当時の様子を取締役支配人 齋藤育利氏とグリーンキーパー 吉田健太郎氏にお話し

を伺うことができました。

緑の絆


救援活動

「当時、当クラブも建物の損壊、コースの地割れなど出たものの、幸い被害は

比較的軽く済みました。

緑の絆

しかし、地元神戸の甚大な被害と途方に暮れる被災者を前に“営業や修復よりも

地元の復興を!”と当時の社長(現会長 大林功氏)が声を上げ、すぐに行動に

移しました。

震災後1か月半の間、ゴルフクラブの営業を停止して、避難所としてクラブハウス

を神戸市民に提供し、レストランや浴場を被災者の方々に無料で開放しました。

ライフラインが寸断され、高速道路も規制がかかる中、延べ2万人の方に利用して

いただきました。

自宅待機が続いていた社員もお風呂の受付案内からレストランのウエイトレスなど

をボランティアで努めました。

冬の寒さで冷たくなった体に温かいお風呂と、被災地では口に出来ない温かい食事

は喜ばれましたね。

また、被災地での炊き出しや、女子寮の土地を仮設住宅建設用地として提供する

など、できる限りの支援をさせていただきました。」

と、お二人は当時の様子を鮮明にお話しくださいました。

緑の絆


復興支援活動

「大震災復興支援ゴルフ大会を7年にわたって開催しました。

当時プレイフィー25,000円のうち20,000円を義援金にあてるコンペなども開催

しました。そして、積み上げた合計約8,000万円の義援金を兵庫県と神戸市、

あしなが育英会に寄付しました。

現在は、年間入場者数に増加分を寄付金としています。あしなが育英会への寄付は

当クラブの開場記念日に毎年行われています。」

と、控えめにお話しいただきましたが、地元復興のために行った活動を当時の

気持ちを忘れることなく全国の被災地への支援という形で継続されている姿勢に

感服しました。


東日本大震災のボランティア活動

「2011年3月11日、東日本大震災発生直後、“企業として何かしたい!阪神・淡路

大震災の経験は必ず活かせるはず。”とすぐに行動に移しました。

ボランティア・インフォメーションセンターの運営スタッフ、東松島市内の被災

家屋の泥出し作業などを行いました。

全く面識のないボランティアさんたちと活動を共にし、皆さんの献身的な活動を

目の当たりにして、自分たちにできる支援に一生懸命取り組もうという気持ちが

一層強くなっていったようです。

当社から11名が参加させていただきましたが、活動を終えて帰って来た社員は、

活動に参加した意義を感じているようでした。」

と、その後の従業員の意識の変化を感じとっている様子でした。


最後に、齋藤氏は、社会貢献活動の意義を以下のように語ってくださいました。

「社会貢献活動を行うことは社員のモチベーションを上げることにもつながり

ます。活動しなければ出会えなかったような方とのご縁も出てきています。

また、近年、地方の企業は深刻な人手不足に悩まされています。特にゴルフ場は

人材確保に悩んでいる業種の1つです。

我々の活動に感銘を受けて、当ゴルフ場に入社してくれる新入社員もいます。

“何かあれば、率先して出向き、活動する。人のために尽くそう。”その姿勢を続け

て行くことが、企業の役割の一つだと思っています。

そういった意味でも企業としての姿勢が社会に評価され、根付いてきたのではない

かと感じています。

ボランティア活動は、気持ちがあってもなかなか行動にするのは難しいと思い

ます。東日本大震災のボランティア活動で出会った方々もそうでした。

我々のような経験者が、その方々の背中を押し、導いてあげなければならないとも

感じています。

東北地区をはじめとしてゴルフ業界各方面からの問い合せも増えており、我々の

活動がその先駆けになればと考えています。」

齋藤氏のお話には、災害から学んだ経験を余すことなく地元への恩返しとして、

また若者の未来のために活かしていきたいという思いが詰まっているように感じ

ました。また、齋藤氏の「当ゴルフ場は、指定避難場所ではありません。しかし、

いつでも開放できます。」というお言葉がとても力強く感じました。


阪神・淡路大震災から復興を遂げて24年が経過した今、大規模災害が相次いで

発生している今、私たちにできることは何か。

有馬ロイヤルゴルフクラブと同じような活動を始めるゴルフクラブやゴルフ場業界

に携わる企業が現れ、大きな広がりになることを期待したいと思います。


阪神・淡路大震災において、被害に遭われた多くの方々に改めてお見舞い申し

上げるとともに、弊社もゴルフ場業界に身を置く企業として、次の第一歩を踏み

出していきたいと思います。

(2019年8月7日)

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