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東京都中央区晴海は、明治中期から昭和初期にかけて行われた東京湾澪浚工事で

出た海底の土砂を投下してできた埋立地。

この地は、2020年東京オリンピック・パラリンピック選手村跡地における

大規模まちづくり事業として、急速に発展が進み、今ではタワーマンションが

建ち並ぶ地域に変貌した。

HARUMI FLAGと言えば、耳にしたことがある方も多いだろう。


その地において、住民の憩いの場となっているのが「黎明橋公園」である。

この公園の芝生を管理しているのは、

NPO法人育てる芝生〜イクシバ!プロジェクト(以下、イクシバ)。

今回、その代表を務める尾木和子氏にお話を伺った。

https://ikushiba.com/

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イクシバは、校庭・園庭を1通年緑フカフカに育ててきた芝生大好きメンバーで

立ち上げられたボランティア団体である。

フカフカの芝生を地域に根付かせ“緑と人の輪”を育てること!が目的。

イクシバは、創立して10年が経過する。

尾木代表は「イクシバ」の名前の由来を『創立当初「イクメン」って言葉が

流行っていて、それにのっかりました。芝生は育てないとダメという

思いを込めています。』と笑っていう。

尾木代表が芝生に魅せられたのは、自身の子供が通っていた幼稚園で

芝生化を経験したのがはじまり。

「ゴロンと寝転べて、赤ちゃんがハイハイできる芝生は、とてもあたたかい。

愛が伝わる。」と、芝生大好き!が止まらない。


しかし、公園の芝生をボランティアで管理するのは、一筋縄ではいかないはず。

どうやって、この活動を根付かせたのか?

尾木代表は、その秘訣を少しだけ教えてくれた。

『それは、無理せず続けられる環境づくりですね。組織づくりに強制は

ダメなんです。私は来てくれているボランティアの方に「ありがとう」は

言わないんです。なぜなら、みんな来たくて来てくれているのだから…。

でも、みんなそれを理解してくれている芝生好きのいい人ばっかり。

まさに「コミュニティで育てる芝生」なんです。』と。


イクシバ!プロジェクトの活動は、2022年、公益財団法人都市緑化機構の

「第42回緑の都市賞の第一生命財団賞」を受賞。


“イクシバのモットー”

 ①時間を決める

  毎週日曜日朝9時から1時間。

  作業時間は1時間以内。準備+芝生にゴロン+片付けで1.5時間。

 ②自由参加

  来てもいいし、来なくてもいい。

  一度行けば勧誘される、続けなきゃならなくなるは、一切なしの

  自由意志尊重。

 ③誰でも参加できる環境

  知り合いがいなくて単独参加する人ばかり。

  色々聞かれるなんてことは皆無。名前も住んでいる場所も公表はしない。

  仲間を作る会ではなく、芝生を育てる会。

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イクシバの参加者は、赤ちゃんからお年寄りまでと年齢層が豊富。


一人暮らしの男性は、「人と話すのはこの場だけ。芝生を育てる以上の

関係はない。だから、この場が好きで毎週参加している。」と話す。


一人暮らしの80代のおばあちゃんは、「ベランダから見る子供たちの姿や、

楽しそうな声を聞くのが嬉しくて、元気をもらう。

また、公園に来て欲しいから、その子たちのためにがんばるの!」という。


親子で参加したママは、「タワーマンションはご近所つき合いが無く、

ワンオペの子育ては辛い。でも、ここに来ておじいちゃんに話しかけられている

子どもを見たとき、ホットした。毎週顔を合わせていると、

人に頼っていいんだと思えるようになった。」と笑顔。


尾木代表はイクシバの存在意義をこうおっしゃる。

『芝生の上では、誰も排除されません。

それは、芝生作業は一人ではできない作業ゆえ、力を持ち寄ってくれる

すべての人が歓迎され、誰もが仲間として受け入れられます。

そして、育てられている芝生も「ありがとう!」って言って

歓迎してくれます(笑)

つまり、芝生の上では「誰もが歓迎される環境」が創り出されているんです。

イクシバ参加者の共通項は、この公園の芝生を大事にしたい!という気持ちです。

今の時代、地縁の希薄化が深刻で、孤独死・児童虐待相談件数、

自殺・引きこもり・不登校などの数値が年々増加しているのは、

全国的な社会課題で東京に特化したものではないです。

人がいるから安心ではなく、人がいるから孤独ということもあります。

人に関わる場が無いということが問題です。

イクシバは、緑の少ない都会生活の中で、緑を通じて人が関わりを持てる場です。

“芝生育ては地域育て”の活動は、文字通り芝生を育てていたら、

地域の人と人も芝生の根が張るように気持ちの良いあたたかな関係性で

繋がることのできるコミュニティなんです。』と。

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イクシバの活動には、昔からこの地域に暮らす住民に加え、急増した新住民の

参加も多く、地域の交流の場となっている。

地域の人と人との繋がりができ、地域愛が生まれる。地域が育っている。

まさに「地縁」である。


黎明橋公園は、都会のビル街に緑を輝かせる唯一無二の憩いの場である。

HARUMI FLAGができて、今や3万人の住民が囲む地にある「黎明橋公園」。

この公園の芝生は、地域の方々の愛で育まれ、守られている。

そして、そこにはあたたかなコミュニティの場がある。

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