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タイトル
真名

Text

「まず、私たちグループのコーポレートスローガンは、“あなたのオフを、

もっとスマイルに。”ですね。これは、今よりもっとスマイルになることで

あれば、積極的に何でも挑戦していくということです。

そして、私たちは『人にやさしい』『社会にやさしい』『地球にやさしい』の

3つの『やさしい』を実現することで、お客様に喜んでいただき、信頼される

ように努めています。」とカッコよく決めたところで、「でも難しい話は

できませんよ。」と、謙遜しながら笑顔でお話くださったのは、

Sport & Do Resort リソルの森 緑苑部 部長であり、真名カントリークラブ

統括グリーンキーパーである粂 仁一郎 氏です。


真名カントリークラブは、都心からほど近い千葉県房総台地に位置する風格ある

「真名コース」とアメリカンスタイルの「ゲーリー・プレーヤーコース」と

趣の違う2つのコースが楽しめる。

真名コースは、雄大でフラット、オーソドックスなコースレイアウトに

人工美の映える美しい27ホールの庭園コース。

ゲーリー・プレーヤーコースは、グランドスラマー「ゲーリー・プレーヤー」が

渾身の想いを込めて設計し、日本で唯一つ自身の名前を拝した18ホール

のコース。

https://www.mannacc.com/


まず、コース管理のビジョンについて粂氏に伺った。

「『エブリデイ・ハイクオリティ』は、リソルグループのコース管理部門の

テーマです。これは、常にお客様優先で、今日来たお客様に一番良い状態の

コースを提供することです。

明日良くなったのではダメ。一か月後きれいになったのでは意味がない。

そのために何をするのかを考える。そして、まず何でもやってみる。

やらない理由をつくるのではなく、まずやってから考える。

これがすべてだと思っています。

考えるだけでいいんです。考えていれば、気にするので!」と熱く語ってくれた。


では、そのビジョンに向けて具体的にどんなことをやっているのか、

どんなことを考えているのかを伺うと、粂氏は、無人機を例に挙げて

教えてくれた。

「時代の変化は、無人機導入のきっかけの一つでもありました。

無人機は価格ではなく、期待値が高いです。

特に期待が大きすぎるから、導入してすぐは理想とのギャップが大きすぎました。

でも今は違います。

無人機は期待値が高いので全自動と完璧を求めたくなりますが、

それには限界があります。

完璧を求めるのではなく、自コースに合った使い方は必ず見つけられるはず、

使い方を考えれば幅が広がると確信しています。

今は、それを考えて見つけ、少しずつやっていますね。」と。


具体的にどんな使い方をしているのだろうか。

興味津々に粂氏に質問してみると、

「基本的にフェアウェイは人と時間に余裕があれば有人(2人)で刈り込みます。

でも、お客さんが多い日は定時間内に刈り込みできないホールもあるでしょ。

そのホールを定時後に無人機に刈り込みしてもらうんです。

だいたい4時間分の残業を無人機に頼んでいるイメージかな。

それと、芝生を伸ばしすぎて刈り込みしなくなるとボタ落ちが無いので、

早朝や夜間に刈り込みすることもできるようになるんです。

おかげで人手不足や雨の影響で刈り込みが間に合わないということがなく、

スタッフからは『よかった』の声が出ています。

そうやって、人の手が届かない場所や時間帯を無人機に作業してもらって、

スタッフにも余裕を持って仕事をしてもらえたら“やりがい”にも

つながっていくと思っています。

無人機は、スタッフの働き方にも大きな変化をもたらすと思いますよ。

会社としては、スタッフの時間外労働を減らすこともできますからね。

それから、会社が高価な無人機を買ってくれたということが、

働く人のモチベーションも上がりますね。」

と、スタッフの働く環境への配慮と共にコース管理のプロとしての一面を見せた。

未来のコース管理を見据え、今できること、やれることを考え、

ビジョンに向かって確実に進んでいるのが印象的だ。


そして、粂氏はさらに続けて、

「今は、残業をスタッフに頼むのではなく、無人機に頼む時代ですよ(笑)

人間はみんな、仕事はいかに楽(ラク)にするかを考えるでしょ?

早出も残業もしたくないですからね。

でも、芝管理品質は維持または向上しなければなりません。

そのために今、何をするか、何ができるかを考えるだけです。

定時に終わって飲みに行きたいじゃないですか!?(笑)」

と、発想力と行動力をフル活用する理由を笑いに変えてお話くださった。

それが、粂氏のやさしさである。そして、そのやさしさが人を笑顔にする。

これこそ、リソルグループが掲げるスローガンそのものである。


“農業から工業へ”と言われたように18世紀半ばのイギリスの産業革命に端を発し、

社会経済構造は大きく変化してきた。

世界では日々、課題を解決するために新しい技術が生まれている。

それは農業分野においても同様であり、ビッグデータ、人工知能(AI)、

IoTの活用によって今後の農業のあり方も大きく変わろうとしている今、

芝管理も大きく変化する時代になってきている。

これを粂氏は、“これからの芝生管理は人間と機械が共存する時代”

という言葉で表現した。

その言葉には「芝生は生き物だから機械だけで管理はできない。

絶対に人は必要。そこを上手くコラボしていく。」そんな意味だと加えてくれた。


日本の人口の年齢別比率が劇的に変化して「超高齢化社会」となり、

社会構造や体制が大きな分岐点を迎える2025年。

真名カントリークラブは、その2025年までにコース管理の方向性を見つける

一歩をすでに踏み出している。

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